Authense社労士法人コラム
公開 2025.06.09

複数2706_新規_くるみんとは?認定を受けるメリット・申請方法、くるみんマークの種類を社労士が解説

店頭や名刺などで、赤ちゃんがおくるみに包まれたような「くるみんマーク」を目にしたこともあるでしょう。
これは、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から認定された企業が使用を許諾されているマークです。

では、くるみん認定とはどのような制度なのでしょうか?
また、企業がくるみん認定を受けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

今回は、くるみん認定の概要や認定を受けるメリットなどについて、社労士がくわしく解説します。

なお、Authense社会保険労務士法人は、企業のくるみん認定の申請をサポートしています。
くるみん認定申請をご希望の際や、くるみん認定について相談したい際は、Authense社会保険労務士法人までご相談ください。

くるみん認定とは

くるみん認定とは、一定の要件を満たして申請した企業を、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」として認定する制度です。
次世代育成支援対策推進法に基づく制度であり、認定を受けることで「くるみんマーク」の使用が許諾されます。

4種類のくるみんマークの概要

くるみんマークには、主に4つの種類が存在します。
ここでは、それぞれの概要を解説します。

くるみんマーク

1つ目は、もっともスタンダードな「くるみんマーク」です。※1

くるみんの認定基準は2025年4月1日から改訂されており、この基準に沿って認定を受けたことを示すため、マーク内に「2025年度基準」との表記がなされます。

トライくるみんマーク

2つ目は、トライくるみんマークです。※1

トライくるみんマークは、通常のくるみん認定よりもやや緩やかな基準である「トライくるみん」認定を受けた企業に使用が認められます。
くるみん認定の基準を満たさない場合にまずはトライくるみん認定を目指し、これをステップとしてくるみん認定を目指すイメージです。

プラチナくるみんマーク

3つ目は、プラチナくるみんマークです。※1

これは、「プラチナくるみん認定」を受けている企業に使用が認められるマークです。
プラチナくるみん認定を受けるには、事前にくるみん認定またはトライくるみん認定を受けたうえで、さらに厳しい基準を満たさなければなりません。

プラス認定マーク

4つ目は、プラス認定マークです。※1

これは、くるみん認定やトライくるみん認定、プラチナくるみん認定を受けている企業が不妊治療と仕事との両立に取り組んでいることを示して「プラス認定」を受けた場合に、利用が認められるマークです。

企業がくるみん認定を受けるメリット

企業がくるみん認定を受けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、主なメリットを4つ紹介します。

  • 企業イメージが向上する
  • 求職者から選ばれやすくなる
  • 公共調達の加点評価の対象となる
  • 一定の助成金の対象となる

企業イメージが向上する

くるみん認定を受けた場合、認定内容に応じ、先ほど紹介をしたマークを広告や商品などに使用できることとなります。
これにより、「子育てサポート企業」であるとのアピールが可能となり、企業イメージの向上につながる効果を期待できます。

求職者から選ばれやすくなる

子育てがしやすいか否かは、求職者にとって非常に重要な基準です。
また、くるみん認定を受けている企業は、法令遵守の意識や従業員を大切にしようとの意識を持っていることが多いでしょう。

そのため、くるみん認定を受けていることを求人活動においてアピールすることで、求職者から選ばれやすくなる効果が期待できます。

公共調達の加点評価の対象となる

各省庁が物品やサービスを購入する民間企業を選定する場合には、入札価格だけで判断するのではなく、さまざまな項目から企業を採点したうえで選定する総合評価落札方式が多く活用されています。
くるみん認定は多くの公共調達において加点の対象となるため、入札において有利となります。

一定の助成金の対象となる

助成金とは、一定の要件を満たして申請をすることで、国などから返済不要な事業資金を受け取れる制度のことです。

くるみん認定やプラチナくるみん認定を受けている場合、上限額が50万円である「くるみん助成金」の助成対象となります。
くるみん認定が、審査にあたって加点対象とされている補助金も少なくありません。

くるみん認定を受ける主な要件

くるみん認定を受けるには、さまざまな要件を満たす必要があります。
ここでは、くるみん認定を受けるために満たすべき主な要件を解説します。

  • 雇用環境の整備について適切な行動計画を策定すること
  • 策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと
  • 策定・変更した行動計画について、公表と労働者への周知を適切に行っていること
  • 男性労働者の育児休業等取得率などについて一定の要件を満たすこと
  • 女性有期雇用労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすこと
  • 法定時間外労働などについて一定の要件を満たすこと
  • 一定の措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること
  • 重大な法令違反などがないこと

くるみん認定申請をご検討の際は、Authense社会保険労務士法人へご相談ください。
要件を満たすために何をすべきか、具体的な状況に応じてアドバイスします。

雇用環境の整備について適切な行動計画を策定すること

1つ目は、雇用環境の整備について、適切な行動計画を策定したことです。
この行動計画は、2年以上5年以下のものでなければなりません。

策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと

2つ目は、策定した行動計画を実施し、その計画に定めた目標を達成したことです。
「計画さえ作ればよい」ということではなく、実際に達成することが求められます。

策定・変更した行動計画について、公表と労働者への周知を適切に行っていること

3つ目は、行動計画を策定したり変更したりした際に、適切な公表と労働者への周知を行うことです。

なお、この行動計画の策定や公表、周知は次世代育成支援対策推進法によって義務化されており、くるみん認定を受ける企業だけが行うべきものではありません(次世代育成支援対策推進法12条1項)。
ただし、常時雇用する労働者の数が100人以下の企業は義務ではなく、努力義務とされています(同5項)。

男性労働者の育児休業等取得率などについて一定の要件を満たすこと

4つ目は、次の1または2のいずれかを満たすことです。

  1. 計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率が30%以上であり、その割合を「両立支援のひろば」で公表していること
  2. 計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合計50%以上であり、その割合を「両立支援のひろば」で公表しており、かつ育児休業等を取得した日が1人以上いること

ただし、労働者数300人以下の場合にはこの要件が緩和されます。

女性有期雇用労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすこと

5つ目は、女性有期雇用労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすことです。

具体的には、計画期間における「女性労働者」と「育児休業の対象となる女性有期雇用労働者」の育児休業等取得率がそれぞれ75%以上であり、その割合を「両立支援のひろば」で公表していることが求められます。

ただし、労働者数300人以下の場合には、この要件が緩和されます。

法定時間外労働などについて一定の要件を満たすこと

6つ目は、法定時間外労働などについて一定の要件を満たすことです。
具体的には、計画期間の終了日の属する事業年度において、次の「1」と「2」の両方を満たすことが求められます。

  1. 次のいずれかの要件を満たすこと
    • フルタイムの労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月30時間未満であること
    • フルタイムの労働者のうち、25歳から39歳の労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること
  2. 月平均の法定時間外労働が60時間以上となる労働者がいないこと

一定の措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること

7つ目は、次のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していることです。

  1. 男性労働者の育児休業等の取得時間の延伸のための措置
  2. 年次有給休暇取得促進のための措置
  3. 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークなど働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

重大な法令違反などがないこと

8つ目は、法や法に基づく命令、その他関連法令に違反する重大な法令違反がないことです。

くるみん認定を目指したい際には、Authense社会保険労務士法人までまずはお気軽にご相談ください。

くるみん認定を受けるための申請方法・流れ

くるみん認定を受けたい場合、どのような流れで進めればよいのでしょうか?
最後に、くるみん認定の申請方法と流れについて解説します。

くるみん制度にくわしい社労士に相談する

くるみん認定の申請を自社だけで進めることは容易ではありません。
そのため、まずはくるみん認定にくわしい社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

Authense社会保険労務士法人は、くるみん認定申請について豊富を有しています。
くるみん認定を目指したい際には、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

行動計画を策定する

社労士のサポートを受け、雇用環境の整備に関する2年以上5年以下の行動計画を策定します。
行動計画はいきなり策定を始めるのではなく、まずは自社の現状や目指すべき形を明確にしたうえで策定するステップが必要です。
また、この行動計画はくるみん認定の要件を満たす内容としなければなりません。

行動計画を公表し、従業員に周知する

行動計画を策定したらこれを公表するとともに、従業員に対して周知します。
公表は、インターネットの利用などの適切な方法によって行います(次世代育成支援対策推進法施行規則1条の4)。

また、周知は事業所の見やすい場所への掲示や備え付け、労働者への書面の交付や電子メールの送信などの方法によって行います(同2条の3)。

行動計画を策定した旨を都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ届け出る

行動計画を策定したら、策定した旨を都道府県労働局雇用・環境均等部(室)に届け出ます。
届出は、郵送または持参、電子申請によって行います。

行動計画を実施する

届出をしたら、行動計画を実施します。
計画を的確に実行するため、実施にあたっても社労士のサポートを受けることをおすすめします。

行動計画期間の終了後、くるみん認定を申請する

行動計画の期間が終了したら、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へくるみん認定の申請をします。
審査の結果、認定要件を満たしていると判断されると、くるみん認定がなされます。

まとめ

くるみん認定制度の概要やくるみん認定を受けるメリット、くるみん認定を受ける流れなどを解説しました。

くるみん認定とは、一定の要件を満たして申請した企業を、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する制度です。
認定を受けるには、雇用環境の整備に関する行動計画を策定し、実施したうえで、企業側から申請しなければなりません。

くるみん認定をご希望の際は、社労士へご相談ください。
社労士へ相談することで、自社がくるみん認定を受けるメリットが明確となるほか、くるみん認定を受けるまでの各ステップについてサポートを受けることが可能となります。

Authense社会保険労務士法人は、くるみん認定の申請サポート実績が豊富であり、安心してご相談いただけます。
くるみん認定への申請をご規模の際や、くるみん認定に興味がある際などには、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

お悩み・課題に合わせて最適なプランをご案内致します。お気軽にお問合せください。

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